「遊動天秤って何?普通の天秤とどう違うの?」
「どんな時に使うのが良いの?」
「普通の天秤と遊動天秤、どっちを買えばいいか分からない…」
このページでは、以上のような方に役立つ情報を掲載しています!
投げ釣りやちょい投げで使われる天秤仕掛け。
「固定天秤」や「遊動天秤」という名前をよく聞きますが、何がどう違うのか…
あまり詳しく知らない方も多いと思います。
そこで、このページでは投げ釣りで使う「遊動天秤」について書いていきたいと思います。
具体的には…
- 誘導天秤とは何か?
- 普通の天秤と何が違うのか?
- 遊動天秤のメリットとデメリット
- 遊動天秤の効果的な使い方
- オススメの遊動天秤
以下の内容を図を含めて解説していきます!
ちなみに間違いやすいのですが…
誘導天秤ではなく、遊動天秤です。
僕も書いててよく間違えます笑
もし記事内で間違っている所があったらゴメンなさい!
その際は、もしよろしければお伝えください…
遊動天秤とは何か?
遊動天秤とは、一言で簡単に言うと「道糸と仕掛けが直結できる天秤」のこと。
「天秤と糸が直接結ばれない構造」となります。
遊動天秤を図で解説
どういうことかと言うと…
一般的な天秤(固定天秤)は、道糸と天秤を結び、その天秤と仕掛けを結びます。
これが一般的な天秤仕掛け。
しかし遊動天秤は道糸と仕掛けが直接結ばれており、その間を天秤が通る、というような形になっています。
これが遊動天秤仕掛けです。
遊動天秤は、仕掛け側の糸を引っ張ると、道糸が直接引っ張られます。
そしてその逆も同じ。
天秤の重さがかからない分、道糸と仕掛けは動きがダイレクトに影響し合う関係です。
遊動天秤と固定天秤の、仕掛けとしての大きな違いはこの点です。
遊動天秤と固定天秤の形の違い
また遊動天秤と固定天秤は、見た目を比べてみてもほとんど形の違いがありません。
唯一違う部分が、アームのリングの穴の大きさ。
片方(仕掛け側)のリングの穴が大きいのが遊動天秤です。
穴が大きい方は、サルカンやスナップなどの、道糸と仕掛けを直結するパーツが通り抜けられる仕組みになっています。
仕掛け側の糸を引っ張ると、サルカンやスナップが通り抜けるので、道糸がどこまでも引っ張られます。
逆に道糸側を引っ張ると、リング穴の小さいアームはスナップが通り抜けられないので、そこで引っ掛かります。
これが遊動天秤の仕組みです。
こんな形の物も「遊動天秤」です
ちなみに遊動天秤には、一般的なL型の天秤の他にもこのような物があります。
天秤のアームの中が空洞になっており、そこに道糸が通るタイプで、これも遊動天秤の一つ。
「パイプ天秤」と呼ばれており、さまざまなメーカーから同じようなタイプの天秤が販売されています。
パイプ天秤は船釣りでよく使われる天秤ですが、ちょい投げをする時にも有効的な仕掛け。
また、磯で石鯛などの大物を釣る時にも、このタイプの天秤はよく使われます。
遊動天秤を使うメリット
「道糸と仕掛けが直結できる天秤」が遊動天秤。
固定天秤よりも、遊動天秤の方が優れている(メリット)となる部分はどのような所でしょうか?
簡単にまとめると、以下の2点になります。
- 遊動天秤の方が、魚のアタリが竿先や手元に伝わりやすい!
- 遊動天秤の仕掛けは、魚が違和感なく餌を食べてくれる!
一つずつ解説していきます。
遊動天秤の方が、魚のアタリが竿先や手元に伝わりやすい!
道糸と仕掛けを直結させることで、魚が掛かった時の衝撃が、ダイレクトに道糸と竿に伝わります。
これによって「仕掛けに魚が掛かった!」ということが分かりやすくなります。
遊動天秤は道糸と仕掛けが直接結ばれているので、魚のアタリは道糸に直接伝わり、それが竿や手元に伝わります。
固定天秤よりも手に伝わる感触は大きく、竿はより大きく曲がる、ということになります。
仕掛けを投げておいて魚が掛かるのを待つ、いわゆる置き竿の「ブッコミ釣り」をする際にはとてもメリットとなる部分!
もちろん引き釣りをする時も大きなメリットとなりそうですね。
遊動天秤の仕掛けは、魚が違和感なく餌を食べてくれる!
遊動天秤は、天秤の重さが仕掛けに直接乗りません。
これによって、魚が餌を食べて(くわえて)糸を引っ張った時に、天秤の重さで魚に違和感を与えてしまう確率を減らすことができます。
神経質な魚は、少しでも違和感を感じ取ると餌を離してしまう事もあります。
その確率を少しでも減らすことができるのも、遊動天秤仕掛けのメリットです。
遊動天秤を使うデメリット
遊動天秤のメリットをいくつか挙げさせて頂きました。
ここまで読むと…
「固定天秤よりも遊動天秤のほうが、圧倒的に優れてるんじゃない?」
「固定天秤を使う意味がないのでは…」
と思われてしまうそうなのですが…
実は遊動天秤のほうが圧倒的に優れているわけではなく、固定天秤と比べた際のデメリットもいくつかあります。
こちらも簡単にまとめると、以下の2点。
- 固定天秤の方が遠投できる(遊動天秤は飛距離が落ちる)
- 固定天秤の方が仕掛けが絡みにくい(遊動天秤は絡む可能性が若干高い)
こちらも一つずつ解説していきます。
固定天秤の方が遠投できる(遊動天秤は飛距離が落ちる)
遊動天秤は、固定天秤と比べるとキャストした際の飛距離が落ちやすいです。
理由としては主に以下の2つ。
- 固定天秤よりも少し仕掛けが複雑なので、空気抵抗が大きい
- 道糸と天秤が固定されていないので、投げる際に天秤の重さがしっかりと竿に乗らない
砂浜で本格的な投げ釣りをする際に、「少しでも先の方まで遠投したい!」という釣りをする場合は、固定天秤の方に軍配が上がります。
遊動天秤は本格的な遠投には向かないケースが多いです。
とはいえ、ちょい投げのような「軽く仕掛けを投げる」釣りの場合はそこまで気にしなくても良い部分だったりします。
固定天秤の方が仕掛けが絡みにくい(遊動天秤は絡む可能性が若干高い)
ちょい投げをする際に気になる部分は、どちらかといえばこちらですね。
固定天秤よりも少し複雑な仕掛けとなるので、何らかのトラブルで仕掛けが絡まったりすると少し厄介です。
固定天秤ではそれほど大きな絡み方ではなかった物でも、遊動天秤だと「ちょっと厄介に絡んじゃったな…」
というケースが多くなりがち。
固定天秤よりも扱いに少し気を使うのが遊動天秤です。
いいとこ取りの「半遊動天秤」もある!
実は遊動天秤と固定天秤のいいとこ取りをした、「半遊動天秤」という物もあります。
投げ釣りをしている方なら一度は使ったことのあるおなじみの天秤「ジェット天秤」。
実はこれも「半遊動天秤」の一つです。
半遊動天秤は通常の遊動天秤とは違い、道糸と仕掛けは直結せず天秤に結ぶのですが…
天秤の「オモリ」の部分は固定されていないので、可動域があります。
天秤自体にオモリの重さがかからないので、
- 魚のアタリが出やすい!(遊動天秤のメリット)
- 仕掛けが複雑にならず、絡みにくい!(固定天秤のメリット)
という、固定と遊動のメリットを二つ備えられるのが半遊動天秤です。
キス釣りにはどちらを使えば良い?
固定天秤と遊動天秤(半遊動天秤)について、ご説明をいたしました。
ところで、投げ釣りでおなじみのターゲットといえばシロギス。
投げ釣りでシロギスを狙う際には、どちらを使えば良いでしょうか?
これ、意外と難しい問題なんです。
もちろん、それぞれの天秤のメリットを踏まえて、好きな方で楽しむ!
というのがベストだとは思うのですが…
実は、釣り方によって向いている天秤が違います。
結論から言うと、
置き竿でブッコミ釣りをする時は「遊動天秤」
引き釣りをする時には「固定天秤or半遊動天秤」
となります。
具体的な理由について、詳しく書いていきます。
遊動天秤は「置き竿でじっくり待つ」釣りに向いている
そもそも遊動天秤は「置き竿のぶっ込み釣りで、大物がかかるのをじっくりと待つ!」というのに向いている釣り方です。
リールのドラグを緩めて置き竿にして…
大物が掛かった途端にドラグがジャーッ!っと音を立てて回転していく!
そんな釣りをする際に遊動天秤がよく使われます。
魚に違和感を与えず、じっくりと餌を食べさせるため、遊動天秤が有効的なんですね。
そして大物に限らず、シロギス釣りにおいてもそれは同様です。
置き竿で狙うならば、どちらかといえば遊動天秤に軍配が上がります。
固定天秤は「引き釣りで魚を掛ける」釣りに向いている
しかし置き竿のぶっ込み釣りではなく「仕掛けを動かす”引き釣り”でキスを狙う!」という場合はどうでしょう?
この場合は遊動天秤よりも、固定天秤に軍配が上がります。
固定天秤仕掛けは、天秤の重さがしっかりと乗っている仕掛け。
なので、餌をくわえた魚が違和感を感じて暴れた時に、オモリの重さとアームの反動で、魚の口元に「ビシッ」と針掛かりしてくれます。
このように、固定天秤と遊動天秤にはそれぞれに向いている釣り方があります。
いずれにしても「自分の好みで使い分ける!」というのが一番ですが、それぞれの特性を覚えておくと良いかもしれないですね。
オススメの遊動天秤 & 半遊動天秤
ではここで、個人的にオススメの遊動天秤と半遊動天秤を紹介したいと思います!
(※基本的に「ちょい投げ用」の天秤仕掛けを紹介しています)
購入の際の参考にしてみてください!
遊動天秤①「ダイワ アームシンカー」
ダイワから出ている遊動天秤「アームシンカー」。
最初に見て「おっ」と思うのが、アームの細さ。
リングの部分を見ても、とても繊細で丁寧な作りをしているのがわかります。
アームやリングの部分って、メーカーや商品によって作りが雑だったり…
結構違いがハッキリと出る部分です。
カラーバリエーションも結構豊富。
アメリカのお菓子のようなカラーリングは、個人的にかなりツボです笑
コレクションしたくなる天秤。
使い勝手もとても良く、アームもコンパクトながら絡みも少なく、しっかり釣らせてくれる天秤。
遊動天秤デビューとしてはかなりオススメです。
遊動天秤②:「富士工業 ミニ遊動ジェット天秤」
投げ釣り用の天秤と言えば…でおなじみの富士工業。
その富士工業から出ている遊動天秤が「ミニ遊動ジェット天秤」です。
元々、本格的な投げ釣り用の天秤でおなじみのメーカーなので、本格的な遊動天秤もあります。
ミニサイズとなった「ミニ遊動ジェット天秤」ですが、ちょい投げ遊動天秤のスタンダード的存在です。
おそらく、ちょい投げで遊動天秤と言えば、これを使う人が最も多いかも?
価格も手頃ですし、作りもしっかりしている仕掛け。
先に紹介した「ダイワ アームシンカー」も個人的には大好きな天秤なのですが、こちらの天秤も使い勝手が良くオススメです。
ちなみに正式名称は…
6〜12号が「ミニ遊動ジェット天秤」
3〜5号が「ミニミニ遊動ジェット天秤」
です。
半遊動天秤①:「富士工業 ミニジェット天秤」
半遊動天秤と言えば、やはりジェット天秤がオススメです。
ロングセラーの天秤。
半遊動というメリット以外にも「よく飛ぶ」「浮き上がりが早い」などのメリットも兼ね揃えている人気の天秤です。
あと非常にリーズナブル!
L型天秤と違ってコンパクトに収納できる、という部分もこのタイプの利点。
「何を使うか迷ったら、とりあえず最初はコレを使ってみる」という感じでよく使っています。
ちなみにこの天秤も、
6〜12号が「ミニ ジェット天秤」
3〜5号が「ミニミニ ジェット天秤」
です。
半遊動天秤②:「ハヤブサ ぶっ飛び半遊動天秤 ビームキャスト」
ハヤブサから出ている「ぶっ飛び半遊動天秤 ビームキャスト」
名前の通り、キャストすると非常に気持ちよくぶっ飛んでいきます。
空気抵抗が少ない形状だからか、普通の天秤よりも飛距離を稼げる天秤。
砂浜(サーフ)からのちょい投げをする際によく使用しています。
引き心地もとっても良く、着水音も静かなのでキスが散らばるのを防ぐ効果もあります。
遊動天秤で魚のダイレクトな引きを楽しもう!
以上、遊動天秤についてご紹介をしました。
- 遊動天秤とは、道糸と仕掛けを直結させる天秤!
- 魚のダイレクトなアタリを楽しめるのが遊動天秤!
- ブッコミ釣りで、大物をじっくりと待つ釣りなら遊動天秤!
- 固定と遊動、両方のメリットが欲しいなら「半遊動天秤」!
以上のような内容で書かせて頂きました。
固定天秤と遊動天秤、形としてはほんのちょっとしか違いがありません。
でもそれぞれの投げ釣りの楽しみ方があってなかなか奥が深いです。
皆さんも是非、遊動天秤、固定天秤それぞれのメリットを活かして、楽しい投げ釣りを満喫してみてください!