ちょい投げ

キス(シロギス)をちょい投げで「簡単に」釣る!仕掛けや釣り方などをご紹介します。

僕はキス(シロギス)が大好きです。
長年釣りをしていますが、一番好きなターゲットです。

まだキスを見た事のなかった子供の頃、キスと言えば天ぷらになった例の形しか思い浮かばなかったのですが、初めてキスを釣り上げた時は、子供ながらに「こんなに美しい魚だったのか…」と、心から感動しました。

その時に釣れたのは一匹だけだったのですが、家に持ち帰り、天ぷらにしてもらって食べた時のホクホクとした食感と美味しさは衝撃的で、
その時から「キスをもっと沢山釣りたい!」と思い始め、僕は投げ釣りにどっぷりハマるようになっていきました。

見た目にも美しく、味も絶品な魚、キス。
投げ釣りのターゲットとしては昔から人気な魚で、キス釣りの全国トーナメント戦なんてのも毎年開かれるくらいです。

また船釣りのターゲットとしてもキスは人気。
関東では、年中通してキス釣りの船が様々な漁港から出ています。

突き詰めると非常に奥が深いキス釣りなのですが、実際にはそれほど難しい事もなく、コツさえ掴めば簡単に釣れる方法があります。

その方法がちょい投げ

投げ釣り専用の竿やリールも必要なく、仕掛けも簡単で扱いやすく、堤防からちょっと投げるだけで誰でも釣れます。
小さい子供や女性でも出来る釣りです。

ここでは、キスをちょい投げで簡単に←ここが重要!)釣るための方法を書いていきたいと思います。

まだ釣りに慣れてないけど、美味しい魚を簡単に釣りたい!
イソメなどのゴカイ系の虫餌が苦手で、投げ釣りはちょっと・・・
キス釣りの釣果を、もっと楽に簡単に上げたい!

と言う方に、是非読んでもらいたい記事です。
色々な事を書きたかったので、ちょっと長くなってしまいましたが…
目次から気になる部分だけ探して見てみるのでもOKですので、良かったらお付き合いください。

釣っても楽しい、食べても美味しい魚、キス。
キス釣りの楽しさを、皆さんに伝える事が出来れば幸いです!

そもそもキスは高級魚です

あまり認識されにくい事なのですが、そもそもキスは「結構な高級魚」です。

鮮魚店やスーパーで売られる事はあまり無く、たまーに売られていたとしても、サイズの小さい小型の物ばかり。
それでも、まあまあのお値段が付けられます。

なぜ魚屋さんでキスが売られにくいのか?
これはキスの習性が関係しています。

キスは元々とても臆病。
他の大型魚からも捕食のターゲットになりやすく、とても用心深い魚です。
なので普段は海底の砂底からほんの少し浮いた場所を移動しているのですが、身の危険を感じると、砂底に埋まり身を隠すという習性があります。

その為、底引き網などの漁ではなかなか捕獲がされにくく、流通も多くない魚となっています。

キスは成長すればするほど警戒心が高まる魚。
大きなキスは、より漁獲量が少なくなってしまいます。

そんな事もあって、キスは釣り人が狙う魚としてはうってつけなんですよね。
釣り人だけが手軽に釣り、手軽に食べられる魚なんです!

釣れる時期

キスは、夏や秋の暖かい時期に釣れる
というイメージがあります。
堤防や砂浜からの投げ釣りに関してはほぼその通りなのですが、実際は年間を通して釣る事が出来る魚です。

キスは普段、岸から離れた水深の深い場所に生息しているのですが、夏から秋の暖かい時期になると、岸に近く、水深の浅い場所まで移動して産卵をするという習性があります。

その為、まだ気温の低い冬や春の時期に水深の深い場所にいるキスは、船釣りで狙うターゲットとなります。
そして夏や秋になると、キスは岸から手軽に狙えるターゲットへと変わります。

その為、ちょい投げで狙うのは夏から秋にかけての釣りになります。

ごく稀に、冬や春などの寒い時期にも岸から釣れる事がありますが、群れから離れた単独のキスである事が多いので、沢山釣る事は難しいです。

キスの釣れる時期のまとめ

ちょい投げで釣れるのは夏から秋の季節!この時期に釣るのがオススメ!
冬や春に釣れることもあるが、1匹だけの単独のキスだったりするので、基本的にこの時期はちょい投げでは狙わない…

釣れる時間帯

キスは、時期だけでなく時間帯によっても釣れやすいタイミングがあります。
釣れやすい時を狙って効率よく釣りましょう。

朝マヅメ・夕マヅメの時間

オススメなのは、やはり朝マヅメ、夕マヅメの時間帯
日が昇り始める時間と、沈む時間帯の数時間の間。
多くの魚が釣れやすくなる時間帯ですが、キスもこの時間帯になると活性が上がり、よく釣れます。

「じゃあ日中は釣れないの?」
と言うと、そうでもありません。朝マヅメや夕マヅメの時間帯ほどではありませんが、キスは日中でも十分釣ることができる魚です

しかし、キスの釣れる夏から秋の暑い時期、日中はとても暑いですよね…
堤防での釣りも暑いですが、砂浜での真夏の日中のキス釣りは砂浜の照り返しもあって、本当に暑いです。

なので、
日中のんびりと釣りをしてキスを狙う!
と言うよりは、
朝マヅメや夕マヅメの釣れる時間に集中して釣る!
と言う方法をオススメしたいです。
活性が高ければ、日中でもぽつぽつと釣れ続けてしまうのがキス。
その為、釣りをだらだらと続けてしまいがちです。

のんびりまったりと釣りをするにはそれも良いのですが、熱中症対策をしっかりして挑みたいですね。

夜釣り

これをやる人は少ないのですが、夜の時間帯もキスを釣る事が出来ます。
ただ、明るい時間に行うキス釣りと違って、釣れる数は圧倒的に少なくなります。

キスも人間と同じように日中に活動して夜は寝ている魚。
夜活動するキスは、ごく少数です。

しかし、キス釣りの玄人の方の中には、夜メインでキスを狙う方がいらっしゃいます。
それは何故か?

キスの夜釣りの大きなメリットは、何と言っても
夜に釣れるキスは、大型の可能性が高い
という事だと思います。

キスは20cm前後のサイズでもなかなかの大きさと呼ばれますが、中には30cm近くにも達する「超大型」のキスも存在します。

キスは大型になればなるほど警戒心が高くなり、そうそう簡単に釣れる魚ではなくなってしまいます。
それでも、警戒心が鈍りやすい夜の時間であれば30cm近い大型を釣り上げるチャンスがあります。

玄人向けの釣りになりますが、大きさ勝負で行くならば、チャレンジしてみても良いかもしれませんね!

キスの釣れる時間帯のまとめ

日中はどんな時間帯でも釣れるが、特に釣れやすい朝マヅメや夕マヅメの時間帯に絞って釣るのがオススメ!

日中の釣り以外には、30cm近いサイズの大型を狙う、マニアックな夜釣りも…!

釣れる場所

キスは砂浜や堤防であればどこにでも生息している、というわけではありません。
空いてる釣り場になんとなく入り、適当に釣っても多少の釣果はあるかもしれません。
しかし、キスが好んで集まりやすいポイントを探し、そこに狙いを絞って釣る事で効率良くたくさんのキスを釣り上げることができます。

キス釣りのポイントを探す際に、是非気にかけてみてください。

砂浜のかけ上がり

何も変化の無いように見えるただの砂浜でも、実際には海底には様々な場所に起伏や傾斜があります。
「カケアガリ」と言われ、波の動きや潮の動きによって、海底の砂浜は凸凹や斜面など、色々な形が作られます。

この凸凹や斜面に、キスの餌のなるプランクトンや小さな生き物が溜まりやすくなる為、キスはその場所に好んで集まるようになります。

つまり、カケアガリの部分に狙いを定めて釣る事がポイント!
…とは言え、そのかけ上がりがどこにあるか、目で確認する事は不可能ですよね。

砂浜でオモリを投げて、ゆっくりとリールを巻いていくと、どこかでグーっと重みを感じる場所があります。

その重みこそが、かけ上がりにオモリが当たっている証拠。
重みを感じたら、そこで仕掛けの動きを少し止めてみましょう。
近くにキスがいるはずです。

沖にあるテトラなどの障害物の周り

場所は限られますが、砂浜から沖を眺めるとテトラなどの障害物が入っている事があります。
そのような場所の周りには大きいキスがいる可能性が高いので、積極的に狙っていきたいですね。

テトラではなく大きな岩や海藻が沈んでいる場合があります。
テトラのように海面から飛び出していれば場所が分かりやすいのですが、沈んでいると場所もわかりにくいですよね。

砂浜から見ると、青い海面が一部だけ黒くなっているような場所が見られる事があります。
そのような場所が岩や海藻が沈んでいる場所なので、「何となくあの辺りかな?」と予想をつける事が出来ますので、その周りを狙ってみましょう。

テトラや岩に仕掛けが引っ掛からないように要注意!

河口付近

河川の水が海に流れ出す河口付近も、キス釣りの大きなポイントとなります。

  • キスの餌となる小さな虫などが多く、水自体にも栄養分が多い為、それを狙うキスが集まりやすい
  • 夏の間は海水温が高く、高塩分にもなる為、水温と塩分の低い河口にキスが集まってくる

という理由の為です。
キスに限らず、他の様々な魚も集まりやすいのが河口付近ですので、見つけたら積極的に狙ってみるのが良いと思います!

堤防の内側

堤防内部は釣りもしやすく、キスも釣れやすい場所ですのでオススメです。

砂浜の釣りと同じように、堤防の内側にも起伏がある事が多いです。
それは「船道」と呼ばれる、漁船などの通り道となる場所。

船の通り道は、その周りの場所よりも少し深くなっている事が多く、砂浜でいう所の「カケアガリ」と同じような状態になっています。
この場所にキスが居着いている事が多く、好ポイントとなります。

堤防の内部であればどこにでもキスがいる事が多いのですが、この船道を狙う事が出来るならば、積極的に狙っていきましょう。

ただ、船が通る場所に投げ釣り仕掛けを放置してしまうと、通った船に仕掛けが絡まってしまう可能性があります。

仕掛けは放置せず、周りを確認しつつ、船が来そうだなと思ったら速やかに回収するのが良いですね。

キスの釣れる場所のまとめ

砂浜で釣る場合は「カケアガリ」と呼ばれる起伏のある場所がポイント!
または岩や海藻、テトラポッドのある付近も積極的に狙いたい!

堤防内側はどこでも釣れるが、船の通る船道付近は水深が深く、かけ上がりになっている事があるので、ここもお勧めしたいポイント!

釣り竿とリール

キスを釣る時期や時間帯、場所などについて説明してきました。
次に「ちょい投げ」でキスを釣るための仕掛けや道具について書いていきたいと思います。

釣り竿

ちょい投げ専用の釣り竿、という物はなかなか無いのですが、リールのつけられる竿なら、ほぼどんな竿でもちょい投げをする事が可能です。

しかし、ちょい投げに”向いている竿”という物はあります。
イメージとしては
5号から10号くらいのオモリのついた仕掛けを投げられる適度な硬さのある、短めで扱いやすい竿
という感じでしょうか?

これにぴったりと当てはまるのが、ブラックバスを釣る「バスロッド」を始め、エギングロッドやシーバスロッドなど、ルアーなどを投げる為の釣り竿になります。

2.4mから3m程度の長さの竿が特に扱いやすく、ちょい投げには重宝するサイズです。

竿が長ければ仕掛けを遠くまで投げる事ができるので、砂浜でのキス釣りをする場合は、ちょっと長めの竿の方が有利ですね。

またホームセンターや量販店などで売っているリール付きのコンパクトロッドでも充分!
でも、この竿はそんなに遠くまでは投げられないので、砂浜などではなく堤防の内側でキスを狙う時に使うのが良さそうです。

リールと糸

釣り竿以上に選ぶのに迷ってしまうのがリールと糸。
竿は持った感じで「使いやすそう!」とか「難しそう!」とかがわかりますけど、リールってどの辺の物がちょうど良いのかが実際に使ってみないと分からないですからね。

リールの種類は大きく分けて、スピニングリールとベイトリールがありますが、基本的にちょい投げをする際にはスピニングリールを選びましょう。
スピニングリールはトラブルも少なく扱いやすいですし、他の釣りをする時にも流用しやすいのでオススメです。

リールに巻く糸は、大体100m〜150mの長さがあれば十分です。
糸の種類は大きく分けてナイロンラインとpeラインの2つがあり、これはどちらにもそれぞれに利点があります。

ナイロンライン:
釣りではよく使われる一般的な糸。伸縮性もあり、柔軟で仕掛けを結びやすく、とても扱いやすいが、リールに巻いた糸は糸グセがつきやすい。
また伸縮性がある分、魚の小さな当たりが感じにくく、当たりを逃す可能性もある。
ちょい投げで使用する太さは大体2号〜3号。

peライン:
ナイロンラインとは違って、繊維を織り込んだような糸。
引っ張った時の強度はナイロンラインよりも強い為、細い糸でも十分な強度を取れる。
伸縮性はほとんど無いが、その分魚の小さな当たりも非常にわかりやすい。
しかし擦れに弱く、テトラや岩場に擦れると簡単に切れてしまう。
価格もナイロンラインより高価だが、最近は価格差もあまり無くなってきている。
ちょい投げで使用する太さは大体0.8号〜1号。

どちらを使っても問題はないので、メリットとデメリットを踏まえた上で選択するのが良いかと思いますが、ナイロンラインの方が初心者向けのラインと言われています。

しかし、peラインを使った方がキスのあたりをダイレクトに感じる事ができ、キス釣りの楽しさも倍増します!
初めのうちはナイロンラインを使用していても、いつかはpeラインに変えていくのが良いと思います。

キスを釣る竿とリールのまとめ

釣り竿は、2.4m〜3m程度の長さのバスロッドやシーバスロッド、エギングロッドが、ちょい投げをする竿としてはちょうどいい!

リールはスピニングリールで、ナイロンのラインだったら2号〜3号の太さを100m〜150m程巻ける物を。
peだったら0.8号〜1号の太さを100m〜150m程巻ける物を。

天秤

釣具店に行くとわかるのですが、ちょい投げ用の天秤や仕掛けは有名メーカーから本当に沢山の物が出ています。

それぞれ重さが違うのですが、ちょい投げで使用するのは大体5号から10号程度の重さの物になります。

それぞれに扱いやすい利点があるので、どれを使っても間違いはないとは思いますが、ここでは代表的な幾つかの天秤を紹介していきたいと思います。

L型天秤

L字型をした、投げ釣りをする際には最もポピュラーとなる形の天秤です。

形状的にも仕掛けが絡みにくく、どんな場所でも扱いやすい万能型の天秤。
飛距離も出やすいので、砂浜からのキスのちょい投げ釣りには特にオススメです。

様々なメーカーから沢山のL型天秤が出ています。
アームが短くて扱いやすい物や、飛距離が出やすい材質で出来ている物。
値段もピンからキリまで様々です。

ジェット天秤(ロケット天秤)

羽のような突起のついた、特徴的な形でおなじみのジェット天秤。
ロケット天秤と言われることもあります。

ジェット天秤は「リールを巻いて仕掛けを回収する時に浮き上がりやすい」という性質を持っています。
これによって、仕掛けの回収時に岩に引っかかったり、海藻に引っかかったりといったトラブルを軽減させる効果があります。

障害物のある場所の近くを探るのにはとても良い天秤です!
また、ジェット天秤は100円ショップのダイソーでも取り扱っているので、安価に手に入れる事ができます。

こちらがダイソーで売っているジェット天秤。
とても安価ですがしっかり使える物です!

デメリットは、他の天秤に比べると仕掛けを投げる際にほんの少し絡まりやすい、という点でしょうか?
しかし懸念するほどの差は出ないので、それほど気にしなくても大丈夫かもしれません。

遊動天秤

見た目は普通のL型天秤と大きく変わりませんが、よく見るとハリスをつけるアーム側の輪っかが大きくなっています。

これが遊動天秤。
使い方は、天秤のアームに道糸を結ぶのではなく、アームの輪っかを経由して道糸とハリスを直結させます。

これにより、L型天秤では道糸−天秤−ハリス、となっていた物が、
遊動天秤だと、道糸−ハリスという形になります。

道糸とハリスの間に天秤を経由させない事で、魚が餌を食べる時に天秤の重さを感じさせない(違和感を感じさせない)ため、魚がしっかりと餌を食べやすくなります。
これにより、神経質な魚を釣る際には大きなメリットとなります。
また、魚の当たりがダイレクトに手元に伝わってくるので、繊細な当たりでも分かりやすくなるというメリットもありますね。

基本的には、仕掛けを動かさずに置き竿でじっくりと魚を待つ釣り方をする際に向いている天秤です。
L型天秤とは輪っか大きさが違うだけであり、普通のL型天秤としても使うことが出来ますので、臨機応変に変える事が可能です。

遊動天秤のデメリットは、道糸に固定されていない(仕掛けの間に天秤を通してるだけ)の形なので、L型天秤と比べると飛距離がやや落ちてしまいます。
(道糸にオモリが固定されていれば、投げる際にオモリの重さが竿にしっかり伝わり、仕掛けが飛びやすい)

また、釣り針が根掛かりをした場合に、一緒にオモリもロストしてしまう危険性が高いです。
少し複雑な形状となるため、絡みも発生しやすい仕掛けです。

キス釣りにベストな天秤は・・・

それぞれの天秤にメリットやデメリットがありますので、ケースバイケースで使っていくのが良いかと思います。

ジェット天秤は、根掛かりが心配な場所で。
遊動天秤は、置き竿でキスを狙う場合に。
それ以外では、L型天秤を使う。

など。

ちなみにジェット天秤は、オモリとなる部分がアームと固定されていないので、「半遊動天秤」とも言われます。

また、ちょい投げをする際に個人的にオススメの天秤があります。
ハヤブサというメーカーから出ている、「立つ天秤 スマッシュ」という天秤。

これについては別の記事を書いておりますので、良かったらご参考にしてみてください!

ちょい投げ釣り仕掛け、色々使ったけど「立つ天秤 スマッシュ」が今の所ベスト個人的によく使っている、ハヤブサの投げ釣り、ちょい投げ用の仕掛け「立つ天秤 スマッシュ」についての紹介記事です。...
キス釣りに使う天秤のまとめ

L型天秤、ジェット天秤、遊動天秤など色々あるが、ケースバイケースで使い分けていく!

根掛かりが心配な場所ではジェット天秤。
置き竿でキスを狙う場合は遊動天秤。
それ以外ではL型天秤など。

仕掛け(ハリ)

釣具屋さんに行くと、天秤と同じように様々な仕掛けが売られています。
「ちょい投げ用」と冠されている仕掛けも売っていますので、そういったものを使えば間違いはないと思います。

ちょい投げで使われるのは、基本的には針が2本ついた仕掛け。
3本くらい付いている物でもOKですが、仕掛けはあまり長いと絡みやすくなってしまうので、2本程度の短い仕掛けが扱いやすくて良いですね。

また、針の形状もいくつか種類があります。

基本的には市販の物をそのまま使っても問題ありませんが、形状によってそれぞれメリットとデメリットがあり、針の使い分け方に関しては覚えておいて損はありません。
魚の当たりはあるけど、なかなか針にかからないな・・・?
というような場合に、
針を変えてみたら目に見えて釣果が上がった!
ということが良くあります。

余裕があれば、是非とも覚えてみてください!

流線タイプ

市販のちょい投げ仕掛けでよく見かける針。
一般的な形の針と言ったらコレです。

針自身の強度が高く、また一度魚を掛けるとバラしにくい形をしているので、万が一大物の魚がかかった場合に有利になります。

ただ、その形状から針が横に膨らんでいるので、キスのような「餌を吸い込んで捕食する」タイプの魚には餌が吸い込みにくく、針掛かりがしにくくなってしまいます。

様々な魚を狙う「五目釣り」にはとても有効な針なのですが、キスを釣る際にはそのデメリットが少し目立ってしまいがちです。

早掛けタイプ

元々ある「キツネ針」という形の針を、キスを釣るために改良したのがこの「早掛けタイプ」です。

流線タイプとの違いは「針の軸が細く軽量化されている」という部分と「針の幅が膨らんでおらず、狭い」という箇所です。

これによって、
・針が細いので貫通しやすい(刺さりがいい)
・針が軽く、また膨らんでいないので違和感なく吸い込みやすい
・小さなキスでもしっかり針掛かりさせられる
というメリットがあります。

このメリットは結構大きく、
流線タイプの針を使ってる隣の釣り人はなかなか釣れていないが、早掛けタイプを使っている自分はコンスタントに釣れていく
という現象が割と発生します。
それだけ刺さりが良い針という事です。

デメリットとしては、「針が細いので強度がそれほどなく、大物の魚には弱い(針が折れやすい)」という部分でしょうか。
それでも、堤防や砂浜からの五目釣りには最低限の強度はありますので、心配し過ぎるほどでは無さそうです。

競技タイプ

早掛けタイプと特徴が似ているのが、この「競技タイプ」。
その名の通り、キス釣りのトーナメント戦などでよく使われる針です。

トーナメント戦では、決められた時間にどれだけ釣れるかが大事。
針掛かりのしやすさは勿論、釣れたシロギスの「針の外しやすさ」も重要なポイントになります。

この競技タイプの針は、早掛けタイプの針から更に「針の外しやすさ」も考えられた設計になっています。
「キスを素早く効率よく釣る為に考えられた設計」です。

手返し良く釣る事が必要な「キスの船釣り」でも、船釣り専用の針はこの競技タイプの形が使われる事が多いです。

実際に使うと分かるのですが、例えキスが針を飲み込んていても、針を引っ張るだけで割とスムーズに「スッ」と針が外れます。
これが結構快感ですw

デメリットとしては、針が外れやすい分、裏を返すと「一度魚がかかってもバラしやすい」という事になります。
また、キス釣りの為だけの針ですので、早掛けと同じように針の軸は細く、大型の魚がかかれば折れやすいです。

早掛けタイプと競技タイプには大きな差はありませんが、使いやすさに関してはちょっと違いますので、両方とも使用してみる事をオススメしたいです。

キス釣りにベストな針は・・・

「キスを釣る」という事だけを考えた場合には、ベストなのは早掛けタイプか競技タイプという事になるのですが、基本的にちょい投げには「五目釣り」の要素も含まれていると思います。

実際に釣具店に行ってみるとわかるのですが「ちょい投げ」と書かれている仕掛けは大体「流線タイプ」です。
丈夫で、大きい魚に対応させる事が出来る為。

キスを狙っているけれど、不意に釣れるかもしれない大物にも対応させたい!
という場合には、流線タイプの針の方がオススメだったりもします。

キスの活性が高い時には、流線タイプの針でも十分釣れたりしますので、まずは流線タイプの針を使ってみた上で、
魚の当たりはあるけど釣れない…
仕掛けを上げてみたら、餌だけ取られてた…
という事がよくある場合には、早掛けタイプや競技タイプの針を使ってみるのが一番良いかと思います!

それと大事な事がもう一つ!
針は消耗品」です。
しばらく針を使用していると、刺さりはどんどん悪くなってしまいます。
「堤防のコンクリート部分に針が引っかかっちゃった」とか「針が海底の岩に根掛かりしてたみたい」など、よくある事なのですが、その度に針先はどんどん丸くなってしまっていると思った方が良いと思います。

時々、釣り針の先端を爪にそっと引っ掛けてみて、刺さりが悪くなっていないかのチェックをする事をオススメします。
刺さらない釣り針では、魚は釣れないですもんね…
刺さりが悪くなっていたら、迷わず交換しましょう。

エサ

キス釣りに使われるエサ。
定番なのは「ジャリメ(石ゴカイ)」です。
アオイソメよりも細いので、口の小さいキスは食べやすいサイズ。

またアオイソメよりもよく動くので、アピール度が抜群です。
「アオイソメでは釣れにくいのか?」と言うとそうでもなく、日によってはアオイソメの方が釣れやすいタイミングもありますので、一概にはどちらが良いか、とは言い切れない部分もあります。

また、キス釣りの超特エサと言われるのがチロリ(東京スナメ)です。
アオイソメやジャリメでも釣れない、と言う時に、このチロリが有効になる事が多いです。

扱っているお店自体が少なく、またジャリメやアオイソメと比べると値段も少し高いですが、
「久しぶりの釣り!今日は絶対にボウズだけは避けなければならない!なんとしても釣らなければ…!」
という状態の方は、是非ジャリメではなくチロリを買うのが正解ですね…w
(チロリでも釣れない事はありますので、釣果は保証出来ません!)

イソメ系のエサは苦手!

釣り場でいろんな釣り人の方と話をしたのですが、
青イソメとかジャリメとかのエサが気持ち悪くて無理!」という方って結構いらっしゃいます。

「青イソメが触れないから、ルアーとサビキしかやらないんだよね」という方もいました。
これに関しては「青イソメやジャリメに慣れるしかない」という事でしかないので、絶対的な解決方法はありません…

しかし、こういう虫エサ以外にも、キスを釣る為のエサはあります。

オキアミ

オキアミも、キスが大好物なエサです。
ジャリメや青イソメと同じように、針に真っ直ぐに付けます。

ただオキアミは柔らかいので、ジャリメと同じ感覚で仕掛けを投げると、その反動で餌がちぎれて取れてしまいます。
なので、遠くに飛ばす事はできません。

堤防の内側で、ふんわりと優しく、近場に仕掛けを落としましょう。
タイミングによっては青イソメやジャリメよりも食いが良い事もあり、オキアミの力は侮れません。

青イソメやジャリメと同様にオキアミも万能なエサですので、五目釣りも出来ます。
キス用の小さい針につけるのはなかなか難しいのですが、是非虫エサの代わりにオキアミを使ってみてください。

擬似エサ

イソメ類のエサに似せた擬似エサがあります。
有名なのは、マルキューさんから出ている「パワーイソメ」や、ヒロキューさんの「ポケベイト」などですね。

こちらはヒロキューさんの「ポケベイト」。
お菓子みたいですが釣り餌です。

生エサではないので扱いも簡単で付けやすく、常温保存も出来るところがありがたいですね。
キスがどんどん釣れている時に生エサが無くなっちゃった…
なんて時のために、予備で持っておくのにも良さそうです。

パワーイソメもポケベイトも、キス釣りの擬似エサとしては結構有名な商品。
最近は擬似エサのクオリティもどんどん上がってきているように思います。本物のエサ程ではないにしても、なかなか侮れない釣果が得られそうです。

まとめ

以上、キスのちょい投げ釣りについて長々と説明をしてきました…
長い時間お付き合い頂き、本当にありがとうございます!

あ、具体的な釣り方についてはまだ書いてないですね…
今後もちょくちょくこのページを更新していきたいと思いますので、是非気が向いた時にまた見に来て頂ければ幸いです。

キスは釣っても楽しい、食べても美味しい、本当に素晴らしい魚だと思います。
ちょっとしたコツを掴めば、誰にでも釣れるようになるけれど、突き詰めると奥が深い魚。
だからこそキス釣りのトーナメント戦なんて物もありますし、キス釣りを上達させようと上を向くとキリがありません。

まずは一匹キスを釣ってみて、その楽しさと美味しさを多くの人に味わってもらいたいです!
これを見た皆さんが、良い釣果を得る事が出来ますように・・・

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