初心者のうちは「ナイロンラインの方がいい」って聞いたんだけど、違うの?
比較的カンタンにいろんな魚を釣る事ができる「ちょい投げ釣り」。
上級者はもちろん、釣り初心者にもオススメな釣りです。
ちょい投げ釣りについてよく言われるのが「使用する糸(道糸)は何が良いのか?」について。
釣りに使用する道糸は大きく分けて「ナイロンライン」と「peライン」があります。
そしてちょい投げに関しては、一般的に「初心者のうちはナイロンラインを使おう!」とよく言われます。
確かにナイロンラインはトラブルも少なくて良い糸です。
でも!ボクはそれでもpeラインをオススメしたい!
このページでは、ボクが「初心者でもpeラインを使用した方がいい!」と思う理由について、書いていきたいと思います。
一般的な情報と反する事をオススメしているので、あまり声高に言い過ぎるのも気が引けちゃうのですが…
ひとつの意見として見ていただけますと幸いです。
ちなみにここでの話は「ちょい投げ」に限った話となります。
他の釣り方では、peラインよりもナイロンラインの方が優れているケースがあります。
ナイロンラインとpeライン、それぞれの特徴
ナイロンラインとpeラインは見た目ももちろん、その特徴が全く違います。
その名の通り、ナイロン樹脂を糸状にした物がナイロンライン。
細いポリエチレン素材の数本の糸を編み込んで、一本にした物がpeラインです。
それぞれの特徴を表にすると以下の通り。
ナイロンライン | peライン | |
強度 | 普通 | 強い |
重さ | 普通 | 軽い |
摩擦(こすれ)強度 | 強い | 弱い |
伸縮性 | ある | ほとんど無い |
劣化 | 早い | ほとんどしない |
価格 | 安い | やや高い |
トラブル | 少ない | 普通 |
カンタンにそれぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。
ラインのトラブルが少ない上に、値段もお手頃なライン!
摩擦に強くて、伸縮性もある!
だけど、劣化が早い・・・
引っ張り強度がとても強くて、伸縮性がほとんど無い!
値段はまあまあ高いけど、劣化がほとんどしなくて長持ち!
でも、摩擦(擦れ)に弱い・・・
あとラインのトラブルもナイロンに比べて多い・・・
なんか、peラインの方がデメリット目立ってない?
確かに特徴だけを見ちゃうとデメリットが目立つかも…
でもね、それを上回るメリットがpeラインにあるんだよ!
ちょい投げにpeラインを使うメリット!
それぞれのラインの特徴から、初心者でもpeを使うべきメリットを以下に書いていきたいと思います。
先にまとめると以下の通り。
- 伸縮性がないから、魚のあたりをダイレクトに感じ取れる!
- 海底の状態が分かりやすい!
- 価格が高くても、劣化をほとんどしないから結果的にコスパは良い!
- 仕掛けがよく飛ぶ!
では、詳しくご説明をしていきます。
①伸縮性がないから、魚のあたりをダイレクトに感じ取れる!
ちょい投げにpeラインを使う理由、一番の醍醐味はコレ!
まず一つ目ですが、これがpeラインの一番の良いところ!
ラインの伸縮性の話です。
ナイロンラインは伸縮性があり、引っ張ると適度に伸びます。
しかしpeラインは伸縮性が無いので、引っ張っても全く伸びがありません。
この伸縮性が、ちょい投げの面白さを大きく分けることになります。
まず伸縮性のあるナイロンラインを使ったちょい投げをする場合。
魚が針に掛かると、その魚の動き(アタリ)が竿先に表れるのですが、伸縮性のあるナイロンラインはその動きを吸収してしまい、竿先に表れる反応はわずかなものとなります。
しかし、伸縮性のないpeラインを使ったちょい投げをする場合。
魚が掛かっても、そのアタリをpeラインはほとんど吸収しないので、魚の動きをダイレクトに竿先に伝えることができます。
つまりpeラインは、魚の釣れた時のアタリがナイロンラインと比べて大きいという事!
小さい魚でも、ちゃんとしたアタリが出るんだね。
peラインを使用した時の、手元に伝わる「ブルブルッ!」というダイレクトなアタリは、ちょい投げの面白さを大きくアップさせる要因のひとつ。
この感触は何度味わっても飽きる事がありません。
もちろんナイロンラインを使ったちょい投げも楽しいのですが、peラインのちょい投げを味わうとその差にビックリする事と思います。
②海底の状態が分かりやすい!
海底の状態が分かると、釣れやすい場所、根がかりしやすい場所などが推測できる!
①の「魚のアタリがダイレクトに感じ取れる」と似ていますが、peラインを使用すると海底がどんな状態なのかがとても分かりやすいです。
海底が砂地なのか、もしくは岩がゴツゴツしている場所なのか、などなど…
海底に投入した仕掛けをリールで少しずつ巻いてくると、海底を移動する仕掛けの感触が手元に伝わります。
例えば…
引っ掛かりがなくスムーズな巻き心地だと、仕掛けのある位置は砂地。
スムーズな中に、たまにコツっとした感触があると、仕掛けのある位置は岩が点在する砂地。
コツコツとした硬い感触と、たまに引っ掛かりを感じると、仕掛けのある位置は岩場。
たまにグーっと引っ張られるような根がかりがあると、仕掛けのある位置は海藻の生えている場所。
などなど。
海底の状態を知ることで、ちょい投げにも戦略性が生まれます。
「シロギスを釣りたいので、砂地を狙おう!」
「根魚を釣りたいので、岩場の近くを狙おう!」
「海藻があって根掛かるから、ここではあまり仕掛けを動かさないようにしよう!」
と、色々と考えながら釣ると、ちょい投げの面白さもアップすること間違いなし!
ナイロンラインを使用してもある程度の海底の状態は感じ取れますが、やはりpeラインの方がハッキリと分かる事が多いです。
③価格が高くても、劣化をほとんどしないから結果的にコスパは良い!
ナイロンラインの方が安いし、コスパが良さそうだけど?
ナイロンラインは定期的な”巻き直し”が必要だけど、peラインはそこまで必要じゃないよ!
価格で言うと、peラインはナイロンラインよりも結構高いです。
もちろん物によって価格は大きく変わるのですが、2倍以上の価格差があったりするのも普通です。
なので、初期投資の金額を考えるとナイロンラインを選んでしまいがち。
もちろんナイロンラインの初期投資の金額も魅力的なのですが、ナイロンラインのネックは劣化しやすい、ということ。
吸水性もあり、紫外線の影響も受けやすいナイロンラインは、一度使用するとそこから劣化が始まってしまい、
少しずつ強度が落ちていきます。
そんなに強度ってすぐ落ちるもの?
あんまり気にせず、ナイロンラインを何年も長く使う人もいるけど…
でもどんどん強度は落ちていくのは間違いないよ。
強度が落ちたナイロンラインを使うと、不意に釣れた大物に耐えられずラインブレイク…という危険性もあります。
人によって違いますが、ナイロンラインは大体一年に一回くらいで巻き直し(交換)をするという人が多いです。
しかし、それとは逆にpeラインについては自然の劣化はほぼありません。
ライン自体に傷がつかない限りは、長期間の使用でも強度が落ちることはありません。
ナイロンラインよりもお高いpeラインですが、交換の為に何度か巻き直す必要のあるナイロンラインと比べると、長期的な目線で言えばpeラインの方がコスパが良い事が多いです。
巻き直しの手間も省けるので、その点もナイロンラインより楽ですね!
最近は比較的リーズナブルなpeラインもあるので、最初はこういうのから使ってみても良いかも。
これだったらナイロンラインとあまり値段が変わらないからいいね!
④仕掛けがよく飛ぶ!
仕掛けが気持ちよく飛ぶから爽快感もアップ!
peラインはナイロンラインよりも強度(引っ張り強度)が強く、また重さも軽いです。
つまり同じ強度の物であってもpeラインの方が細く、軽いという事。
細く軽いラインは空気抵抗を受けにくく、仕掛けをキャストした際の飛距離に大きく影響します。
遠くまで気持ち良く飛んでいくので爽快感もあり、投げ釣りが一層楽しく感じられます。
また遠くまで飛ばせるので、狙えるポイントもそれだけ広げる事が可能。
ナイロンラインでは届かなかったポイントも、peラインでは届くかもしれません!
peラインのデメリットは絡まりやすい事・・・
ちょい投げでpeラインを使うメリットを幾つか挙げてきました。
逆に、peラインを使う際のデメリットをしては2つ。
「絡まりやすい」事と「絡まるとほどきにくい」という事。
この点に気をつけなければなりません。
糸が絡まるトラブルが多くなりそうだね・・・
確かにナイロンラインと比べるとちょっと絡まりやすい。
この点だけ注意が必要です!
竿の穂先に絡まった際は注意!
ちょい投げにpeラインを使っていると、よくあるのが「穂先にラインが絡まってしまう」というトラブル。
ナイロンラインでもありがちですが、peラインでも慣れないうちはよく絡まります。
気をつけなければならないのは、絡まった状態で仕掛けをキャストしてしまうこと。
絡まった状態でキャストすると「ブチっ」と糸が切れて、仕掛けが飛んでいってしまう事も・・・
また、仕掛けだけが飛んでいってしまうのはまだ幸いな方で、運が悪いと竿に急激な負荷がかかり、そのまま折れてしまう事もあります。
そんなこと言われると怖くて使えないよ…
でも、このトラブルはナイロンラインも同じだけどね。
大事なのは投げる前に竿先にラインが絡まってないかチェックをする事!
ナイロンラインでも同じですが、投げる前の竿先のチェックはしっかり行いましょう!
ポイントは、あまり糸ふけを出さないこと。
仕掛けを投げている時も、投げる前も、常に糸がピンと張った状態を維持するように意識しておくと、意外とトラブルなく使うことができると思います。
糸ふけを出さない。
投げる前に竿先のチェック。
この2点を意識しておけば、あまりトラブルに困ることは無いと思います!
peラインは「慣れ」です!
以上、peラインについてのメリットやデメリットをご紹介いたしました。
peラインは最初のうちは絡まる事も多く、もしかすると結構苦戦するかもしれません。
ナイロンラインよりも少しクセのあるラインですので、初めて使うと少し戸惑うかも。
しかし、絡まりやすい点にだけ注意をしておけば非常に使いやすく、ちょい投げの面白さも倍増するラインです!
何回か使ってみると、peラインは意外とすぐ慣れちゃいます。
慣れてしまえばこっちのもの!
絡まりやすい、って所だけ注意すれば良いんだね!
魚のアタリもハッキリと捉えられ、より遠くのポイントも狙うことができる。
初心者には不向きと言われがちなpeラインですが、初心者だからこそpeラインの面白さを味わうと、釣りの楽しさがグッと広がると思います!
是非、ちょい投げをする際にはpeラインにもチャレンジしてみてください!