「釣りに行く予定の日だけ、天気予報が雨だった」
「釣りに行ける週末だけ毎回雨が降る…」
という事って、よくありますよね。
少なくとも僕にはよくあります。
釣りに行こうとする日に限って、なぜか雨が降る…
雨の日に釣りをするメリットも多少はあります(後ほど紹介します)が、雨が降っている時の釣りは疲労度も危険性も高まるので、決して「オススメ!」とは言い切れません。
やっぱり釣りは、雨の降らない日がベターです!
とはいえ、雨の降っている量(降水量)にもよるし、「雨でも釣りに行くかどうか?」の判断ってなかなか難しいんですよね。
そこでこのページでは、「釣りを中止するか決行するか?」の判断基準を、降水量から見て解説していきたいと思います。
「明日雨らしいけど、釣りに行くかどうしようか迷うなぁ…」
と迷っている方の手助けになれば幸いです!
一般的な中止の判断基準は「降水量2mm」
人によって「強い雨」「弱い雨」の判断基準は異なりますが、一般的な中止か決行かの基準は「降水量2mm」と考えると良いです。
ちなみに一般的なアウトドアイベントやアトラクション施設などでは、雨天中止の判断として「降水量2mm以上」を基準としているところが割と多いです。
降水量2mmのイメージとしては…
- 外出する時は、短時間でも傘がないとツラいと感じる
- 「本降りになってきたな」と感じる雨量
- 地面がびしょびしょになり、場所によってはぬかるみや水たまりができる
- アウトドアイベントなどでは「雨天中止」の基準となることの多い雨量
2mmの雨のイメージは掴めたでしょうか?
一般的には「ちょっと強くなってきたな…」と感じる雨の量。
それが降水量2mm、です。
もし釣りの中止を考えるのでしたら、2mmを基準に考えてみるのはいかがでしょうか?
あくまで「一般的には」ですが、基準として考えるにはちょうど良い境目となる雨量です!
もちろん、判断基準は人によって違うので
2mmだろうが土砂降りだろうが関係ねぇ!
俺ぁ釣りに行くぜ!
いやいや、ちょっとでも降ってたら行くのやめようよ…
風邪ひくよ絶対寒いし…
この辺の感覚は人それぞれです。
では、実際の降水量が釣りにどんな影響を与えるのか?
- 降水量1mmの釣りへの影響
- 降水量2mmの釣りへの影響
- 降水量3mmの釣りへの影響
- 降水量4mm〜の釣りへの影響
以上を例に挙げて以下に書いていきたいと思います。
降水量「1mm」のイメージ
降水量1mmの雨は、音を立てて降り始める程度の雨。
イメージとしては
- 「ポツポツ」とした雨粒を感じ始める
- 地面がしっかりと濡れ始める
- 外出時に傘は必要だが、短時間であれば無くても何とかなるか…と感じる雨量
降水量1mmの釣りへの影響
釣り自体には、特に大きな影響は出ない雨量です。
しかし、雨具などを着ていないと2,30分でびしょびしょになってしまう程度の雨ではありますので、レインウェアや滑りにくい靴など、対策をする必要があります。
また春先や秋頃などの気温が低い時期は体温低下も気になります。
防寒対策はしっかりした上で釣りを楽しみたいですね。
降水量「2mm」のイメージ
上の方でも書かせていただいた、降水量2mm。
一般的に「雨が強くなってきたな」と感じる雨量です。
- 外出する時は、短時間でも傘がないとツラいと感じる
- 「本降りになってきたな」と感じる雨量
- 地面がびしょびしょになり、場所によってはぬかるみや水たまりができる
- アウトドアイベントなどでは「雨天中止」の基準となることの多い雨量
降水量2mmの釣りへの影響
釣りのしにくさに影響が出始める雨量。
場所によっては視界が悪くなり始め、もし風が吹いていたりすると雨が目に入ってしまう等のストレスを感じ始めます。
タックルケースなども外に出しているとすぐにびしょびしょになるので、開けっ放しは厳禁。
快適な釣りが出来るかどうかの分かれ目って、大体2mm前後からかな?と感じます。
降水量「3mm」のイメージ
降水量3mmになると、これはもう本降りと言える雨です。
- 「本降りになったな」と言える雨
- 少しの時間、外に出ていてもびしょ濡れになってしまう
- 雨の波紋で水面がほとんど見えなくなる
- 色んな場所に水たまりができる
降水量3mmの釣りへの影響
堤防などの釣り場に全く人が居なくなる雨量って、大体このくらいな気がします…
(ほとんどの釣り人が諦めて帰る雨量です)
体力も消耗しやすく、時期によっては体温低下もかなり心配になります。
レインウェアや滑りにくい靴を準備するのはもちろんですが、釣りをやめて帰る時の体力も残しておきたい、と感じる雨量です。
降水量「4mm」のイメージ
降水量4mmは、なかなか強い雨。
「夕立」のイメージが近いかもしれません。
- 「ザーーッ」という音が聞こえる
- 夕立のような雨
- 雨音で離れた人の声が聞きにくくなる
- 外出を控えたくなる雨
降水量4mmの釣りへの影響
ここまで降ってしまうと視界も悪くなり、人の声も聞こえにくくなるので、釣りでは危険性が高くなってきます。
知り合いが釣りに行こうとしていたら、
「やめておいた方が…」とか
「もうちょっと弱まってからの方が…」
と言いたくなる雨量。
夕立や一時的な雨であればいずれ弱まるのですが、台風などが影響している雨の場合は、もう全力阻止です。
さらに風が強かったりするとかなり危険です。
雨の日の釣りの問題点
いくつか上の方でも書かせていただきましたが、「雨の日の釣り、一体何が問題なのか?」を改めてまとめてみたいと思います。
雨具さえ着てれば平気平気!
別に危ない事なんてないよ!
とはいえ、気を付けることは幾つかあるんですよ!
万が一の事故の時に、気付かれにくい
釣り場での落水→死亡事故って、基本的に人の居ない(少ない)釣り場で起こりがちです。
目撃者もいない上に、助けを求めても周りに誰もいないから。
雨の日は周りに釣り人が少いのは勿論、雨音で、落水音や助けを求める声が届きにくいという問題点があります。
ただでさえ足元が滑りやすい雨の日…
普段よりもかなり気を付けなければなりません。
なるべく一人での釣行は避けたいところです。
濡れたテトラは想像以上に危険…
雨の日は足元が滑りやすい…というのは書かせていただきましたが、特に濡れたテトラかなり危険。
コケの生えたテトラは雨に濡れると滑りやすく、転落事故が起きやすい場所。
特にテトラからの転倒事故って、結構悲惨なケースが多いです。
- テトラからバランスを崩して転落し、鼻を強打して骨折
- テトラから転落する際に顔を強打し、前歯を折る
- テトラから転落し、テトラの凸の部分に背中を打ち付けて背中を骨折
- テトラから滑って、テトラについた牡蠣の殻に脚を擦ってしまい大出血
想像しただけでもゾッとする…
聞いたことのある話だけでもこれだけあります。
僕自身、これらを聞いてからはもうテトラに登るのが怖いです…笑
濡れていようがいまいが、転落すると危険なのがテトラポットなのですが、雨の日は本当に危険…というか絶対やめましょう!
体力の消耗が激しい・集中力が途切れる
雨が降ると気温も下がり、雨に当たると体も徐々に冷えてきます。
レインウエアなどを着てバッチリ対策をしていればある程度平気ではあるのですが、餌をつけたり仕掛けを交換するために、手の指は出しておかなければなりません。
しかし、身体が冷えるのって大体指先からなんですよね…
夏場なんかはまだ大丈夫ですが、秋から冬、春にかけての雨はとても冷たいです。
指先は冷えるし、雨で指がすべるし…
仕掛けの交換や餌付けが思うようにいかず、これだけでも集中力がかなり削がれてしまいます。
雨の日の釣りは、体力・集中力・精神力の消耗がかなり激しいです。
釣りをする前にある程度の覚悟をしなければいけないですね。
「落雷」の危険性
雨の日は雷が発生する可能性もあります。
そして、雷の発生している日の釣りは非常に危険です。
砂浜や堤防は周りに高いものが少なく、そんな中で釣り竿を持っていると、釣り竿が「避雷針」のような役割を果たしてしまう可能性があります。
特にカーボン製の竿は危険!
カーボン電気をよく通す性質があるので、特に雷が落ちやすい素材。
雷の鳴っている時は、そもそも釣り竿などの長い物を持って開けた場所に居る、のは危険なのです。
落雷を誘発させにいっているようなものですからね…
釣り具の後片付けやメンテナンス、餌の管理が大変
ロッドやリールに関しては、基本的には濡れる事を前提にして作られているので、雨の日に使ってもあまり問題はありません。
問題となるのは仕掛け入れやロッドケースなど。
釣り針などが入っている仕掛け入れは、防水処理がされていればまだ良いですが、中に雨水が入ってしまうと釣り針は割とすぐに錆びてしまいます。
また防水処理がされた仕掛け入れでも、釣り針などを交換する度に開ける事になるので、その際に中の物が少しずつ濡れてしまいます。
「わずかな量だから大丈夫だろう…」と思っているとこれが結構大きくて…
雨の釣行後、何もメンテナンスをしないまま一週間くらい放っておいてしまうと、針が錆びていたり、仕掛けにカビが生えていたり…
なかなか大変な状況になってしまいます。
帰った後はしっかり仕掛け入れを乾かすなどのメンテナンスが必要になります。
また餌の管理も結構大変です。
意外と知られていない事ですが、アオイソメや石ゴカイ(ジャリメ)は、雨に当たると急激に弱ります。
オキアミなんかも雨に当たるとふやけてしまいますので、基本的に餌は雨に濡れないよう気をつける必要があります。
雨の日に釣りをするメリット
それでは次に、雨の日に釣りをするメリットについて紹介します。
危険性や快適性が問題となる雨の日の釣りですが、それなりのメリットがあるのも事実。
以下にまとめていきたいと思います。
雨の日は魚が釣れやすくなる事もある
最も大きいメリットが、この「魚が釣れやすくなる事もある」という点です。
雨の日は「釣りのしにくい日」でもありますが「釣果がアップするチャンスの日」であるとも言えます。
雨が降るとなぜ釣れやすくなるのか?
幾つかの原因があるのですが、簡単に以下にまとめました。
雨音や波紋により、魚の警戒心が薄くなる
日中、晴れていて明るい日。
堤防などの釣り場から水中を覗くと、小さな魚が泳いでるのが分かります。人間から見て、水中の魚がそのまま見えているという事です。
しかしこれは、魚にも同様の事が言えます。
「晴れていて明るい時は、陸上の釣り人の姿がよく見える」のです。
魚にとっては、堤防にいる釣り人は天敵です。
堤防にいる釣り人がしっかり見えてしまうような状況では、警戒心が増し、餌を食べる気持ちになりにくくなってしまいます。
しかし、これが「雨の降っている日」だった場合…
空は曇っていて暗く、雨粒が水面に落ち、たくさんの波紋が水面に表れます。
水中をのぞいてみても、波紋や暗さが邪魔をして、魚を確認する事はなかなか出来ません。
魚からも同様で、水面の波紋によって陸上は見えにくくなります。
また人間の足音、釣りの仕掛けが着水する音、人間の話し声…
そのような音は、雨音によってカモフラージュされてしまいます。
つまり魚にとって雨の日は「天敵を意識しにくく、警戒心が薄れる日」でもあるのです。
また雨が降っていなくても太陽が出ていなければ、釣り人が水面に映り込む事がなく、魚が受けるプレッシャーは少なくなります。
なので曇りの日であっても、晴れの日よりは魚の警戒心が薄れやすい日であると言えます。
雨<曇り<晴れ、の順で、魚の警戒心は薄くなります。
水中の酸素量が増える
雨が降ると、水面に雨粒が落ちる衝撃で「酸素を含んだ小さな泡」が発生し、その泡が水中へと溶け出していきます。
「雨の日は水中の酸素濃度が高くなる」という事になります。
魚は水中に溶け出した酸素をエラで取り込んで呼吸をするので、酸素濃度の高い場所を好み、その場所では活性が高くなります。
また酸素濃度は、小魚の餌となるプランクトンの活性にも変化をもたらします。
酸素濃度が高くなると、水中のプランクトンの活性が高くなり、それを捕食する小さな魚も同様に活性が高くなります。
それに影響されて、小さな魚を捕食する「フィッシュイーター」も、活性が高くなります。
簡単にまとめると…
- 「雨が降ると水中の酸素が多くなる」
- 「その酸素を取り込む魚の活性も高くなる」
- 「そしてプランクトンの活性も高くなり、それを食べる魚も活性が高くなる」
という事になります。
魚が餌を食べやすい日になる、という事ですね。
水温が変わる
釣りやダイビングをする人の中では「水温は2ヶ月遅れでやってくる」と、よく言われます。
海の水温は、地上と比べて季節が2ヶ月ずれている、という事です。
ざっくりと2ヶ月、という考え方なので、常に2ヶ月分きっちりずれているわけでは無いのですが、水中と陸上には季節のずれは確かにあります。
つまり「海の温度と雨の温度は違う」という事になります。
例えば季節は6月。
初夏の時期、夏に向けて気温がどんどん高くなっていく季節ですが、海の水温は2ヶ月遅れの4月の状態です。
4月は、まだ冬の寒さをほんの少し引きずっている状態。
そこに6月の初夏の暖かい雨が降ると、海水の温度は上昇する事になります。
この海水温の上昇によって魚の活性が刺激される事になりますので、その時期では普段釣れにくいような魚が、雨の日になると釣れてしまう、という可能性が高くなります。
逆に暖かい海に冷たい雨が降った場合でも同様で、季節に伴わない海水温の変化は、一時的に魚に刺激をもたらします。
暖かい海に更に暖かい雨が降った場合も、より一層、活性が促進される事となります。
「この時期では釣れないかも…」という魚も、雨が降った時には釣れるチャンスがあるかもしれないですね。
他の釣り人が少なくなる
「雨の日は魚が釣れやすくなる」という理由の他に、もう一つ恩恵があります。
「他の釣り人が少なくなる」という点。
魚影が濃く人気の釣り場というのは、大抵来る人も多く混雑しています。
それが週末ともなると、空いてる場所を探すのにも苦労するほど。
隣の釣り人との距離が近いと仕掛けが絡んでしまう心配も増すので、のびのびと釣り…という雰囲気にはなりにくいですよね。
しかし、基本的に雨の日の釣り場は人もまばらです。
他の釣り人の心配をする事なく自由に釣りをする事が出来るし、空いている分、ポイント移動をするのも比較的自由です。
ただ、「釣り人が少なくなる」というのは先に述べた通りデメリットにもつながる事なので、一長一短ではありますが…
釣り人が少ないと安全性の低下にもつながるので…
どうしても雨の日に釣りに行くなら…
「雨が降っているけれど、どうしても釣りに行きたい!」
と思う方もいらっしゃると思います。
気持ちはとても良くわかります笑
そこで、雨の中でも出来るだけ快適で安全に釣りをするための注意点を以下にいくつかまとめてみました。
せっかくの楽しい釣りですから、怪我や事故、トラブルが起きないように万全の体制を整えておきたいですね。
スマホや財布は防水をしっかりと
意外と忘れがちですが、スマホや財布はしっかりと防水対策をしておきましょう。
特にスマホ。
スマホ自体が防水対応されている物ならば大丈夫なのですが、そうでない場合は危険です。
スマホって水のトラブルで本当に簡単に壊れます。
(僕自身も雨の中で釣りをして経験済みです…)
防水のスマホケースがあればバッチリですが、ない場合はジップロックが便利。
財布や時計など、濡れて困る物はなんでも入れておけます。
滑りにくい靴をはく
テトラからの転倒で怪我をしたり、堤防からの転倒で落水したりと、釣り場はどうしても転倒によるリスクが大きい場所です。
しかし、雨の日はさらに転倒自体の危険性が高まるので、ここはしっかりと対策をする必要があります。
まず「滑りやすい・転倒しやすい靴は履かない」と言う事が大事。
特にサンダルなどのかかとの無い履き物は転倒しやすいので、避けた方が良いと思います。
そして「滑りにくい靴」を履くようにしましょう。
…と言っても「滑りにくい靴って例えば何?」って思いますよね。
さすがに堤防でスパイクブーツまで履く必要はありませんが、しっかりとグリップ力のあるスニーカーや運動靴を履くのがオススメです。
ちなみに日進ゴム株式会社が開発している「ハイパーVソール」と言うソール(靴底)を装着した靴が個人的にオススメです。
本当に滑りにくく、グリップ力が抜群です!
ちなみに釣具メーカーのダイワからも「ハイパーVソール」を採用したスニーカーが出ています。
僕が釣行で普段履いているのが、このDS-2350K-HVと同シリーズの靴。
デザインも良い上に履きやすく、釣り以外のシーンで履いても全く違和感がありません。
体温の低下に注意
雨で体が濡れると、急激に体温が下がります。
一度濡れてしまうと、洋服から下着から全て着替える以外に対策方法が無いので結構厄介。
長い時間、身体が濡れたままの状態で釣りを続けてしまうと、耐えられない程の寒さに襲われます。
それが秋や冬の肌寒い季節となると危険です。
とにかく身体を可能な限り、濡らさないことが大事です。
やはりレインウエアは雨の日の釣りには必須だと思います。
まとめ
以上、降水量と釣りへの影響、雨の日の釣りのメリットやデメリットをまとめさせていただきました。
雨の日はどうしても、快適な釣りをするのは難しい日です。
「雨でもかまうもんか!釣りを楽しむぞ!」
という気持ちで勢いよく釣りを始めても、最後は精神力が続かずにギブアップ…
となってしまうのが、雨の日の釣り。
皆さんももし、雨の日に釣りを決行すると決めた場合には、安全な装備をしっかりとして挑みましょう!
怪我のない釣りにしましょうね!