夏は釣りのベストシーズン。
様々な魚が釣れやすい時期に入るので、釣り人にとっては嬉しい季節です。
しかし夏の釣りで最も危険なのが熱中症。
アウトドアでは気を付けなければならない熱中症ですが、特に釣りにおいては命に関わる危険な病気です。
日陰がない、水分補給を忘れやすい、照り返しが強い、など…
釣りは熱中症の危険性が特に強いです。
夏の釣りには熱中症対策が必須。
また安全のためだけではなく、快適に釣りを楽しむ為にも必須の準備です。
服装や持ち物に気をつけるだけでも熱中症の危険性をぐっと下げる事ができます。
このページでは事前に知っておきたい熱中症の危険性や、釣り場での熱中症対策、個人的にオススメのグッズなどをご紹介していきたいと思います。
- 釣り中の熱中症がなぜヤバいのか?
- 安全に釣りをするための、熱中症対策の服装とグッズ
- 釣り場で熱中症にかかるとこうなる
死亡事故にも繋がる危険性のある、釣り場での熱中症。
ぜひ万全な対策をして、安全で快適な夏の釣りを楽しみましょう!
熱中症による死亡者は年々増えるばかり…
毎年夏になると痛感することですが…
毎年、気温すごい上がってるよね…
一昔前では想像できないくらい、夏の気温ってすごく上がってます。
40度近くまで達することも珍しくありません。
年間1,000人以上も死亡する
熱中症による死亡事故は、その年の暑さによって多少のばらつきがありますが基本的には年々増加傾向にあります。
2000年頃は死亡者数は200名前後でしたが、最近は5倍以上の毎年1,000名以上の方が亡くなっています。
また「災害級の猛暑」とされた2018年は死者数は1,500名以上で、2020年も同様に1,500名以上の方が亡くなっています。
毎年温暖化していく日本の気候。
熱中症による死亡事故の影響は、今後も増加していきそうです…
釣り中の熱中症は”特に”ヤバい!
その中でも「釣りをしている最中の熱中症」は特にヤバい!
これに尽きます。
特にヤバいって…何がヤバいのさ
いろんなアウトドアの中でも、特に熱中症になると危ないのが「釣り」だよ!
日陰がないところが多くてヤバい
釣りをする場所といえば、堤防、砂浜、河口などが多いです。
そしてこのような場所は開けたところにある事が多く、日陰がないことが多い…
逃げ場がありません。
常に太陽に照らされた状態になりやすく、そういった場所では熱中症のリスクがグンと上がります。
水分補給を忘れやすくてヤバい
釣りに熱中していると、どうしても水分補給を忘れがち。
夏場は水分補給が少しでも遅れると、一気に熱中症が進行してしまいます。
熱中症は「喉が渇いてからでは遅い」とよく言われます。
喉が乾く前に水分補給をしなければならないので、かなり意識をしていないと難しいんですよね…
一つのことに夢中になりやすい小さいお子さんは、特に危険度が高いです。
照り返し(輻射熱)の影響が強くてヤバい
砂浜などはもちろん、堤防などのコンクリートの地面は土の地面と比べても照り返しが強いです。
また夏の直射日光が強い時期は、地面付近の気温が10度以上も高い事があります。
小さなお子さんなどは特に影響を受けやすく、大人と子供では釣りをしている間の体感温度は大きく違います。
「小さい子は熱中症になりやすい」って言うよね
体温調節機能が未発達だから、らしいよ。
輻射熱のことも考えるとより危険だね…
手遅れの状況になりやすくてヤバい
例えば「人通りの多い街中で熱中症になった」としても、対策方法は多いです。
- 救助してくれる人が周りにいる
- 民家や建物など避難する場所が多く、水分補給もしやすい
など。
しかし、釣り場においてはどうでしょうか?
人通りが少ない場所まで移動して、そこで釣りをしていたら熱中症の症状が出てしまった、という場合を想像してみると…
- どこかで休みたいが、開けた場所なので日陰がない…
- 車から歩いて10分以上かかるような磯場に来てしまったので、戻ろうにも戻る体力がもう無い…
- 水分補給をしたいが飲み水を持っていない…
- 周りに民家などが無いので、助けを求める人がいない…
万が一こうなってしまったら、これはもうアウトです。
命を落とすのをその場でじっと待つしか無い状況。
考えるだけでもゾッとしますが…
このような状況で命を落とす方は本当に多いです。
釣り中の熱中症対策①:服装編
手遅れにならない為にも、しっかりと熱中症対策をする必要があります。
それではここから「釣り中の熱中症対策」のための装備やグッズについて紹介していきたいと思います。
まずは服装から。
基本は「風通しの良い服装」がいい
熱中症を防ぐ為には「汗を素早く蒸発させて、体内の熱を下げる」のが重要です。
その為には通気性の良い服を着るのがベスト。
とは言っても、夏場に締め付けの強いキッチリした恰好で釣りに行く人もあまりいないとは思いますが…
動きやすくてゆったりとした、風通しの良い服が基本となります。
そして…
風通しの良い服といえば…
空調服!
夏によく話題になる「空調服」。
空調ファンが服に付いていて、常に風を循環してくれる服です。
ボクも使っていますが、おそらく夏の釣りで、これに勝る快適な服は無いんじゃないかと…笑
そのくらい快適ですし、熱中症対策効果もバツグンです。
夏の釣りの快適な服装で迷ったら、とりあえずこれを着ておけば間違いないです。
意外と「長袖長ズボン」の方がいい
通気性の良い服、と考えると「半袖短パン」をイメージしますが、実は熱中症対策には長袖長ズボンの方が効果的だったりします。
実は「日焼け」と「熱中症」は関係がとても深く…
人間の身体は日焼けをすると、体内の水分が不足して熱中症にかかりやすくなります。
通気性が良い服であれば、直射日光の当たらない長袖長ズボンの方が対策効果はあるんです。
ゆったりとしたラッシュガードなんかがオススメです。
またアームカバーやスポーツタイツなどを着用するのも良いです。
アームカバーとかタイツって通気性悪そうだけど…
「速乾」や「接触冷感」のある物なら快適で、熱中症対策効果もあるよ!
アームカバーやタイツ系のアイテムは締め付け感もあり通気性も無さそうですが、速乾性能があることで「汗を素早く蒸発させて、体内の熱を下げる」効果を持っている物が多いです。
熱中症対策だけでなく紫外線対策もできるモデルも多いのでオススメ!
「帽子」は熱中症対策には必須アイテム!
夏の釣りを快適にする1番のグッズは帽子です。
特に日本人特有の黒髪は熱を吸収しやすく、直射日光による温度の上昇にはとても弱いです。
なので、帽子はとっても大事!
夏の釣りを行う際には必ず持っていきましょう。
どんな帽子でもいいの?
どんな帽子でも被らないよりはいいけど…
つばが広くて通気性の良い帽子を選ぶといいよ!
帽子の選び方で大事なのは通気性、そしてつばの広さです。
頭の気温を下げるのが第一の目的なので、通気性が悪く空気がこもってしまうような帽子では逆効果となる可能性もあります。
一般的に売られている帽子は、基本的には通気性についてもしっかり考えられている物がほとんどなので心配はなさそうですが、念の為ちゃんと調べた方が良さそうですね。
また首の後ろにネックガード(日除け)がついている帽子も、体温を下げる効果があるのでオススメです。
でも付いてなくてもいいです。
大事なのは「帽子をかぶる」ということ!
釣り中の熱中症対策②:グッズ編
熱中症対策のための服装についてご紹介しました。
では次に熱中症対策「グッズ」について紹介していきたいと思います!
「凍らせたペットボトル」が一石二鳥でいい!
コンビニやスーパーなどでも売られている「凍らせたペットボトルのスポーツドリンク」。
クーラーに保管しておけば保冷剤代わりにもなるし、溶けた部分は飲めるという、まさに一石二鳥のアイテムだと思います。
夏の釣り場ではこれを持って行ってる人が多いですよね。
もはや釣りの定番アイテムです。
自分でペットボトルに水を入れて凍らせてもOKですが、冷凍庫内での破裂に注意…
ボクも何回か破裂させてます…笑
水やお茶でも良いですが、スポーツドリンクの方が塩分補給もできるのでオススメです。
コンビニの「ロックアイス」が個人的にオススメ!
ボクが個人的によくやっているのが、コンビニで100〜150円くらいで売られている「ロックアイスカップ」。
ファミマ、ローソン、セブンイレブンなど主要なコンビニには必ず置いてあります。
これと1Lのスポーツドリンクを買い、ストローをもらいます。
そしてカップにスポーツドリンクを入れて飲む、という方法。
安上がりですし、コンビニのロックアイスってすごく溶けにくいので、長く冷たい飲み物を楽しめます。
これは割と皆さんにオススメしたいです!
釣り中の熱中症対策③:早朝や夕方、夜釣りを検討
最も熱中症対策として効果的なのはコレです。
そもそも日中の釣りは避ける、ということ!
朝マヅメや夕マヅメの時間など、魚が釣れやすい時間に短期集中で釣りをする!
というのが暑い夏の釣りにはオススメです。
もしくは、じっくり楽しみたいのであれば夜釣りを検討するのも良いです。
夜釣りはしっかり水分補給さえすれば、日中よりも熱中症の危険性がグッと減ります。
足元が暗いので熱中症以外の安全対策(転倒や堤防からの落下)もしっかりと行う必要がありますが、日中とは違う雰囲気で釣りが楽しめるのでこれもオススメ!
釣り場での熱中症の症状
事前対策が必要な熱中症ですが、万全な準備をしていてもちょっとした不注意でかかってしまう事が大いにありえます。
とにかく大事なのは、身体から発信される「熱中症のサイン(症状)」を感じ取ること。
もちろんサインが出る前に熱中症対策はしておきたいですが、万が一サインを感じ取ってしまったら、体が動くうちにすみやかに処置をしなければなりません。
身体が発信する主な熱中症のサインには以下のような物があります。
めまい・立ちくらみ
めまいや立ちくらみで足元がふらついたり、意識がもうろうとしてしまう状態。
熱中症の初期症状としてよく現れる現象です。
釣り場においては特に、ふらついて転落…などの危険性もあるので、すみやかに釣りを中断して処置をする必要があります。
頭痛・吐き気・倦怠感
こちらも熱中症の初期症状として現れる現象。
特に倦怠感に関しては、立ち上がる事もつらいほどの疲労感に襲われる事があります。
自分に起こった場合は気付きやすいですが、周りにぐったりしている釣り人の方がいたら熱中症を疑った方が良いかもしれません。
筋肉痛・手足がつる、しびれる
これ、ボク自身もなった事があります…
昔のことですが、これはボクも経験があります…
釣り糸を結ぶような簡単な作業をしているにも関わらず、結ぼうとしている間に手がつります。
何度か発生するので「おかしいな…」と思った時にやっと気付きます。
体内の水分や塩分が不足することにより起こってしまう症状で、熱中症にかかりそうになっているサインだそうです。
異常なほど汗をかく or 不自然に汗をかかなくなる
汗をかくという現象は人間の体温調節機能によって働きます。
熱中症にかかると、その体温調節機能が正常な判断を行えなくなり、急に大量の汗をかいたり、汗が全く出なくなったり…
という症状が出ます。
意識がない・呼びかけても返事がない
自分自身ではもう対策ができない状態。
周りの人が気付くしか、助かる方法はありません。
周りに「ぐったりしていて様子がおかしいな…」と感じる釣り人がいたら、声を掛けてみてください。
命に関わる状態ですので、とにかく早く気付く事が大事です。
以上が身体から発信される主な熱中症のサインです。
こんな症状が出たら、すぐに釣りを中止しましょう!
釣り場で熱中症になってしまった場合
環境省は、熱中症に関する情報サイト「熱中症予防情報サイト」作成しており、そこから「熱中症の対処方法フローチャート」というものが公開されています(下図)。
「熱中症になってしまった人の応急処置」についてのフローチャートですが、自分が熱中症になった場合の対応方法としても参考になり、非常に分かりやすいです!
熱中症に注意して楽しい釣りを!
以上、釣り場での熱中症の危険性と、その対策方法などについてご紹介しました。
熱中症って命にも関わりますし、大きな後遺症も残してしまう可能性のある、恐ろしい病気です。
ほんと、夏の釣りは気をつけないといけないね
うん。
何よりも「安全で快適な釣り」が一番!
夏の釣りって「釣りのメインシーズンがやっと来た!」という気持ちになって、気が大きくなりやすいです。
(僕もそうです…)
ついつい釣りに夢中になってしまうけど、ちょっと油断すると熱中症のリスクがグッと高まってしまうので…
夢中になりがちな時期だからこそ、意識的に注意したいですね。
このページの内容があなたのお役に立つ事ができたら幸いです!
お互いに、これからも熱中症に気をつけて、安全な釣りを楽しんでいきましょう!